2017.11.20

宝石鑑定士ブログ

宝石小話 (ダイアモンド選びと4C その1)

 

ニュースで、どこかの山が中腹は紅葉が見ごろなのに、上のほうが雪で白くなっていると言ってました。

今週の寒さは、季節が一気に冬へと向かっているように感じます。

 

ダイアモンドの選び方については、一言で簡単にまとめてしまうと「購入予算の範囲内で最も納得できる4Cの組み合わせの物を選ぶ」ということになろうかと思います。

ダイアモンドの品質基準4Cは知っているけど、その4Cの組み合わせがよくわからないというお客様、もちろんクアラントットのスタイリストがお手伝いをさせていただきますのでご安心ください。

しかし、ご本人様があれこれと悩むのも楽しみのうちですね。

候補としてあがったいくつかのダイアモンドを見比べながら決めるわけですが、
どの項目を優先するのがいいのか、ここだけは譲りたくないというポイントが自分にはあるかどうか。色々と迷ってしまいます。

そんな購入時での4Cの考え方を解説してみたいと思います。

今回は4項目中最もわかりやすい「キャラット重量」についてお話しましょう。

 

石の重量は精密機器である電子秤で測定するので、秤の扱い方さえ間違えなければ結果は誰が測定してもぶれることがなく正確なものになります。

宝石の重量単位キャラットは、1ctが0.2gに等しいですが、計量の単位は千分の1ct(小数第3位)まで測定します。(最新の秤では小数第4位まで測定できます)
結果の表記が第2位までのこともあります。その場合の小数第3位の端数処理の方法はよくある四捨五入ではないのです。
GIA始めとする海外の機関では「八捨九入」といってダイアモンドだけの特別ルールによって行います。

例を出しますと、計量で0.999ctとなったダイアモンドは1.00ctと表示されますが、0.998ctでは0.99ctと表示しなければなりません。
四捨五入であれば余裕で1ctですが、ダイアモンドは重量の希少性がとても高いので実際の重量との誤差(足りないほうへの)が0.001ct(=0.0002g)になっているのです。

また日本国内の鑑定機関では小数第3位まで表記するか、端数処理する場合は小数第3位は切り捨てとしています。

 

宝石の重量はそのまま大きさに直結しています。
ダイアモンドの場合も、好みの問題もありますがやはり大きいほうがインパクトがあるのは事実です。ダイアモンドの輝き、光の量は大きい石ほど多くなるからです。

しかし、希少性の観点からは当然大きくなる分お値段も高くなります。
(大きくなるということ自体が希少性が高くなるので重量の増加分よりお値段の上昇の方が大きくなります)

ダイアモンドの標準的なカット「ラウンドブリリアントカット」は、他のカラードストーンと違いカットの各要素(角度、パーセンテージ)の幅がとても狭いので重量で外形寸法がほぼ決まってきます。

参考までにラウンドブリリアントカットの標準的なサイズ(直径)を紹介します。
0.15ct 3.4mm
0.20ct 3.8mm
0.25ct 4.1mm
0.30ct 4.4mm
0.35ct 4.6mm
0.40ct 4.8mm
0.50ct 5.2mm

いかがでしょうか。数字だけ見ているとわずかな違いなのですが、実際に現物を見比べるとはっきりと違いが判ると思います。
鑑定書に載るダイアモンドの重量(数字)も大事ですが、実際のサイズをご覧になって納得のいくサイズ(=重量)を検討されるのが良いでしょう。

4Cの中で重量が一番の優先条件ではなかったとしても、“最低この大きさがほしい”といったところを決められるのが一般的です。

4Cの残る3つの項目は、実は目で見て違いが判るということがほとんどありません。
視覚に訴える石のサイズ(=ct重量)が大切なのはご理解いただけると思います。

もちろん4Cの組み合わせでお値段が決まってきますので、サイズを優先しすぎるとすればその分残る3つのカラー、クラリティ、カットでグレードが低くなります。
また、リングのデザインとの関係もありますので大きければよいというものではありません。

ご予算の中で、お客様の望まれる4Cの組み合わせ、お好みのサイズを探っていくわけですが、残る3つの項目についてはまたあらためて解説したいと思います。

 

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コーディネート例は
クアラントット スタイリスト インスタグラム
https://www.instagram.com/quarantotto_stylist/

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GIA GG(米国宝石学会 宝石学修了者)
クアラントット宝石鑑定士
宝石学講座元講師
山本ウィリアム登喜生 Tokio WILLIAM Yamamoto