2017.08.27
宝石鑑定士ブログ
宝石小話 (バロック・パールの魅力)
昨夜はとても涼しかったですね。
8月ももう終わり、秋へと着実に季節が進んでいます。
今日の紹介させていただきたいのはバロック・パールについてです。
バロック パール とは不規則な形状を持つ真珠を指します。
由来はいびつな形を指すポルトガル語の「barroco」から来ているといわれています。
16世紀後半から18世紀かけてヨーロッパ各国に広まった美術・建築・文化の様式「バロック」も真珠バロックから転じたとされます。
バロック様式の特徴として、複雑さ、多様性などのキーワードがありますが、1つ1つがユニークな存在であるバロック(パール)がそんな芸術様式を表す用語になったのも頷けますね。
はじめてそのことを知ったときは、真珠を扱うものとして少し嬉しい誇らしい気持ちになったのを覚えています。
今週末の新作達も個性豊かなバロックパールが使われています。
アコヤ養殖真珠の「コンテ」、別の真珠になるはずだったのに、お互いが大好き過ぎて「いつまでも一緒に!」とくっついてしまった仲良し真珠です。
真珠の中でもアコヤの光沢はとてもクールで、特にこのツイン、トリプルの輝きは丸い真珠に比べてもとても強いですね。
暖かい海でできる南洋養殖真珠やタヒチ養殖真珠はアコヤに比べると柔らかい優しい光沢感を持ちます。
「フォスキア マットゥティーナ 【朝もや】」
「マーリ・デル・スッドゥ【南の海】」
「コルポ・チェレステ【天体】」
真珠の色には3つの要素があります。最も目立つ基本的な本体の色が 「地色(ボディーカラー)」、そして真珠層での光の干渉による 「オーバートーン」、と 「オリエント」。
アコヤ真珠の地色はホワイト、クリーム、希少ですがゴールド。南洋真珠は、ホワイト、シルバー、クリーム、ゴールド。タヒチでは、ブラック、様々な濃さのグレー、ゴールドもあります。
これらの地色に覆いかぶさるように見られる、ピンク、パープル、ブルー、グリーンなどの色光がオーバートーンです。
バロックの形に変化のある場所付近にみられる虹色の光がオリエントになります。
これらの組み合わせにより、時に幻想的なカラーの変化を見せてくれるバロックは、ある意味真珠の<色の魅力>を一番持っているということが言えると思います。
是非各店にてその魅力をお確かめください。
コーディネート例は
クアラントット スタイリスト インスタグラム
https://www.instagram.com/quarantotto_stylist/
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GIA GG(米国宝石学会 宝石学修了者)
クアラントット宝石鑑定士
宝石学講座元講師
山本ウィリアム登喜生 Tokio WILLIAM Yamamoto