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朝日新聞 be フロントランナーに
デザイナー伏見愛佳が特集されました。

 

 

教会の回廊で少し離れて向き合う男女。

~ これは出会い? それとも・・・ ~

代表作の指輪 Una Storia Firenze【ある物語】にはこんな詞が添えられている。

物語を描くように身に着けてほしいとの願いを込めて立ち上げたジュエリーブランド「quarant’otto(クアラントット)」のデザインを担う。

4月に開業したGINZA SIX(ギンザシックス)の店舗にはガス灯やラテン語、蜂などをモチーフにした独創的なジュエリーが並ぶ。通りがかりの人が一人また一人、吸い込まれるように入っていく。

知名度もない。歴史も浅い。流行も追わない。にもかかわらず、開業月の坪あたりの売り上げは、全241店舗の中でトップクラス。周囲を驚かせた。

幼い頃から絵や物語を描くのが好きだった。両親の反対で美大は諦めたが、社会人になっても絵の学校に通った。そんな中、気まぐれで始めたジュエリー作りに引き込まれた。仕事を続けながら彫金を学んでいたが、30歳を前に伊フィレンツェに渡った。

2007年、神戸の路地に工房を兼ねた3坪の店を開く。なじみのない土地で人の通りもまばら。道に迷い込んだ人との出会いを重ねる日々だった。

3年経ったある日、大丸神戸店で働いていた辰畑明実さん(63)は、カフェのような外観にひかれ、ふと足を踏み入れてみた。「見たことのない世界観のジュエリーがずらり。宝物を探し当てたと思いました」と振り返る。すぐに出店が決まった。

その後は東京にも広がり、昨年、フィレンツェに店を構えた。偶然が運命を大きく変えた。 「物があふれている時代、人はその意味や付加価値を求める。クアラントットには、ぬくもりがある」。
経営や品質管理などを担う夫で宝石鑑定士の淵田大介さん(45)は言う。

肌に触れた時の感触や風合いを確かめるため、図面作りで終わらせず、立体的な原型まで作る。完成品は詞とタイトルを付ける。店内に飾られた絵画や内装も手がけ、自ら調達したアンティークの調度品も色を塗り替える。
全てにデザイナーの息がかかっている。

その人の内なる思いを引き出すことに重きを置くため、接客時間も長い。言葉の力を信じる人には羽根ペンのネックレスや本棚のリングを。一日一日の時間を大切にしたい人には数字や時計のモチーフを。
めぐる天体のように変わらない事象に安心感を持ちたい人には、星や月のモチーフを。経験や出来事とジュエリーがぴたりとはまったとき「ぱっと目を見開く」という。

生きていく道をジュエリーに投影し、物語を紡いでいく。

人生の主役は私。人生という名の物語を自由に描くため、そっと寄り添う。

 

週末は「GINZA SIX」の店頭に立つ。
伏見さん作の絵やヨーロッパの調度品が並びホテルのような雰囲気が漂う。大きな鏡の
前で=東京都中央区

 

— 順調に見えます。

去年までの3年間は精神的に追い詰められていました。
店舗が増えすぎたため、店に立ったり創作したりする時間が極端に減ってしまいました。
マーケティングに基づくものづくりではゼロから生み出せない。そう思って他のブランドは一切見ず、ジュエリーに意味を込めて作ってきたのに、価格帯やトレンドの話を聞くのは苦痛でした。
感性だけで作って周囲に迷惑がかかってしまうのならばデザイナーを降りようとさえ思いました。

— 乗り越えましたか。

思い切って店をいくつか整理することにしました。初心に戻って絵を描くことで絵画のようなジュエリーを作ることが私の最大の特徴なんだと確信しました。
世界は広いけれど皆同じ人間なのだから、心の中の大事なものは大差ないはず。無謀な夢だと思いましたが、本場フィレンツェに出店を決めました。徐々に自分を取り戻し、今はすごくいいバランスです。

~思いを共有して~

— 日本とイタリア両方の技法を用いています。

精巧さや職人の勤勉さは日本、デザインやセンスはイタリアが優れています。
日本は各工程に専用の道具がありますが、イタリアでは自転車のスポークやほうきの柄、干しイカなど身近な物も用います。
イタリアの職人はアバウトですが、火の音や手加減など経験値を重んじるので仕上がりはなんとも味わい深いです。
私が作った原型をもとに日本とイタリアの職人が分業で仕上げていきます。両方の良さをいかすこの方法を「Made with Italy」と呼んでいます。

— フィレンツェの伝統技法とは。

様々な彫刻刀を用いて透かし模様や絹のような光沢、微細なきらめきなど、金属に表情豊かな加工を施す技法です。
手彫りでしか表現できない独特の風合いが魅力です。

— 職人にお客様の思いを伝えるための工夫は。

 職人は工房にこもっていて外の世界を知らないので店のイベントに参加してもらったこともあります。
 それから、購入してくれたお客さまがどんな思いで選んでくれたのかを指示書に書き加え、仕事に取りかかる前に読んでもらっています。相手を想像することで思い入れが強くなるのか、ミスが減りました。

— どのような留学生活を送っていましたか。

時間もお金もなかったので工房を三つ掛け持ちし、彫金、石留、デザインを学びました。
空き時間も工房の机を借りて作り続け、腱鞘(けんしょう)炎になったほどです。
仕切りのない部屋を3人でシェアしていました。
安価なトマトとカリフラワーばかり食べていましたが、創作に専念できるのが何よりうれしかったです。

— なぜジュエリーを。

ずっと絵を描いてきましたが絵は自分の内面がえぐり出されて辛(つら)かったです。もっと優しいものが作りたいと思っていました。
毎日身につけられて永遠に残るところにも惹(ひ)かれました。
ジュエリーのアイデアは泉のように湧き出てくるので、苦しさを感じたことは一度もありません。

~自分で買うもの~

— 女性客が多いです。

出発点は自分が身につけたいものを作ることでした。
初めてのジュエリーは、社会人1年目に自分へのご褒美で買ったダイヤのピンキーリングで、そのときの喜びが原点です。
自分で意味を求めて買うものだと思っています。

— 創作するときに心がけていることは。

想像力をかき立てられるよう余白を大切にしています。パーツは用意してあるので、あとは自分で選んで物語を組み立てて欲しいと思っています。
伝統に頼りすぎないよう最新の技法も採り入れるようにしています。身につける人が少しでも幸せになってくれることが目的なので、独りよがりにならないよう気をつけています。

— 社員は家族のような存在だとお聞きしました。

創業時から支えてくれている社員、3姉妹で働いている社員もいます。
もともとお客さんだった人も多く、私のことをよく分かってくれています。
内装に既製品を使わないため、催事前の作業は夜通しになりますが、根気よくついてきてくれて感謝しています。

— フィレンツェに出店しました。

観光地から離れ、呼び鈴を鳴らさないと入れないような店なのに、思った以上に好調です。個性的なデザインから売れていくのも大きな自信になりました。
最近は日本の店で結婚指輪をオーダーし、新婚旅行先のフィレンツェで受け取る人も増えています。そういう物語の描き方があるんだなと感心しました。

先日、米紙ウォールストリートジャーナルでこの店と代表作が紹介されました。「最高のお土産を探すならベッキオ橋をスキップして」と。世界中の人に知ってもらう玄関口になったらいいなと思っています。

 

 

⦅涙のあとは⦆

「あなたにはどう見えますか?」
愛佳は尋ねました。
「鳥…日本の鳥が文字を見ている、ということですか?」
私は答えました。

「日本の鳥ということではなく
ただ[鳥]ということなのです。
また[花]も何の花であるかは重要ではなく
ただ[花]であり全て
自然が生み出したものであるということなのです。
この絵は[言葉]のお店の中の鳥たちです。
甘い味の言葉は食べることが出来ますが
苦いと食べることが出来ません」

なるほど。
彼女の空想の中で、怒りの言葉は
とても苦い味がしているのだそうです。

私達はじっくり考えてから
言葉を使わなくてはいけないし
この世の中の全ての人が愛に満ち溢れた
甘い言葉を使うようになれば
ということが彼女の願いなのです。

日本人の国民性を知っている人なら
この考え方を
理解できるのではないでしょうか。

その考え方は
彼女の絵やそこに描かれた物語の中で
さらに美しく生き生きとしたものになっています。

全ては彼女の心の中に芽生えた感情から始まり
物語が湧き上がります。

そして登場人物達は[優しい形]をした
自然の生き物たちとして絵の中で表現されています。

ジュエリーのデザインも
同じようなプロセスを辿り生まれます。

芸術のこれらの二つの形
想像上の生き物たちの物語と
ジュエリーの創造は、平行に流れる川のように
寄り添って流れているのです。

マルチアーティストである彼女は
そこでしか実現できない特別な技術を学ぶ為に
フィレンツェにやって来ました。

そしてその技術を持っているこの街に
敬意を表したいという思いで
多くの偉大な彫金のマエストロたちが
工房を連ねる ポンテベッキオ界隈に
お店を開きました。

日本では早くも4店舗を構えるブランドとして
確立しています。

これは日本の文化なのだそうですが
そこでは常にドアが開かれており
購入することがないとしても
誰でもそれらの作品を眺めることが出来ます。

彼女が何度も口にしていた[オープン性]について
「私のデザインは全ての人に向けたもので
そこには国別のマーケティングなども
存在しません。

心に思うことや感じることに
人種の違いは無いと思うのです」
と説明しています。

彼女がイタリア在中に 住んでいたアパートの番地が48であったことから
ブランド名は48(クアラントット)となりました。
そして彼女の2匹の犬も4と8と言うのだそう。

彼女にとって4と8はまさにラッキーナンバーです。

そして「特別な数字はきっと誰にでもある」と
彼女は言います。

彼女のジュエリーのひとつの特徴は
とても繊細で控えめな大きさであるということです。

それは富や権力を誇示する必要はないという
日本人の美学を表しています。

穏やかで繊細なジュエリーは
日本の確率された
素晴らしい文化のひとつでもあるのでしょう。

それらは小さいながらも、完璧であり
細部に信じられないほどの配慮がなされています。

例えばネックレスは脱着しやすいよう
通常より大きな輪っかが付いています。

エンドの部分には繊細なケシパールが施され
また長さ調節ができる仕組みになっています。

彼女の素晴らしい作品の中で
私の心を捉えて離さなかったもの
そして私が彼女の作品に夢中になった
きっかけについてお話しします。

それは、彼女が2017年にデザインした
⦅涙のあとは⦆という名の繊細なネックレスです。

彼女はこう話してくれました。
「涙というものは
決してネガティブなものではありません。
私は日々 どうしたらより良く
生きていけるかについて考え
常に歩むべき正しい道を探しています。
私も泣くことがありますが
涙というものは強くなりすぎた感情を
冷ますのに とても良いものだと思うのです。
涙のあとの
明日は新しい一日となるのですから」

 

 

Aika mi dice: “Tu cosa vedi?”… rispondo: “Vedo degli uccelli, probabilmente giapponesi, che guardano delle lettere…é così ?”…ribatte: “Non sono uccelli giapponesi, sono uccelli e basta. Lo stesso concetto vale per i fiori, i fiori sono fiori e basta, non importa quale tipo di fiore, sono tutte creature che appartengono natura. Ti spiego, loro stanno comprando le parole… e se sono dolci, loro le mangiano. Se sono amare o piccanti le lasciano”. Ho capito, una parola di rabbia è  sicuramente piccante per le sue creature di fantasia. Lei mi spiega che: “Prima di usare le parole dobbiamo pensare tanto, e il suo desiderio è quello che tutti gli esseri umani possano usare: “Parole dolci, con amore”. Per chi conosce il popolo giapponese é assolutamente comprensibile questo ragionamento, che ancora più bello e vivo trasposto nei suoi disegni e nelle storie che mette in scena. Il percorso inizia con un’emozione che la colpisce, dalla quale scaturisce una storia che poi rappresenta nel disegno, utilizzando personaggi della natura che vive come “forme rassicuranti”. Il suo procedimento per creare gioielli é simile a quello appena descritto. Queste due forme di arte, il disegno di animali di fantasia con le loro storie e il disegno e la realizzazione di gioielli navigano su fiumi paralleli. Aika Fushimi è un’artista a tutto tondo, venuta in Italia per imparare una speciale tecnica d’incisione che si realizza unicamente a Firenze, ha poi voluto rendere omaggio alla città che l’ha ospitata, aprendo un punto vendita proprio vicino a Ponte Vecchio, accanto cioè ai grandi maestri orafi. Il brand si è velocemente consolidato in Giappone con quattro punti vendita dove, come da tradizione, le porte sono sempre aperte e tutti possono curiosare, anche senza comprare. Sul concetto di “apertura” insiste molto, spiegando che lei “disegna per tutti”, non ci sono strategie di marketing per paese, oppure strani diavolerie nella comunicazione. Tornando all’Italia, nel periodo nel quale viveva qui, la sua casa era al numero quarantotto e per questo motivo ho deciso di chiamare “quarant’otto” il suo brand. Scomponendo poi il numero, i suoi due cani: uno si chiama 4, l’altro si chiama 8. Quattro e otto sono i suoi numeri fortunati, ognuno dovrebbe averne uno secondo lei. La prima caratteristica dei suoi gioielli è che sono piccoli. Sono lo specchio della sua cultura, dove non bisogna mostrare o ostentare ricchezza e potere. Una serena discrezione è un modo di vita ben consolidato in Giappone. Seppur piccole, le sue creazioni sono perfette e mostrano un’attenzione incredibile ai dettagli. Per esempio, le chiusure delle collane non solamente hanno un anello più grande del solito per facilitare l’agganciamento, ma sono regolabili nella lunghezza attraverso un sistema ingegnoso che termina con una delicata perla selvaggia. Tra tutte le sue magnifiche realizzazioni, vorrei parlare di quella che mi ha colpito dritto al cuore e che é il motivo per il quale mi sono appassionata al suo lavoro. Si tratta della delicata collana “ Dopo le lacrime”. L’ha creata nel 2017 e questa è la storia: “Le lacrime non sono negative. Ogni giorno penso a quale sia il modo migliore per vivere e cerco sempre la strada più giusta da percorrere. Anch’io piango e le lacrime sono molto utili perché abbassano il livello di un’emozione troppo forte. Dopo le lacrime so che domani sarà un giorno nuovo”.

 

 

 

quarant’ottoの代表作であるUna Storiaのリングが
アメリカの経済誌 Wall Street Journalに
とりあげられました。

 

 

 

 

映画『フォルトゥナの瞳 』 

 

クアラントット神戸店にて

撮影の協力をさせて頂きました
映画が上映されました✨✨✨

デザイナー伏見愛佳とクアラントットのジュエリーも登場いたしますので、
ご興味のある方はぜひご覧になってくださいませ❗️

『フォルトゥナの瞳 』 
2019年2月15日 全国公開✨

フォルトゥナとは運命の女神。
その瞳を持ってしまった者には
「死を目前にした人間が透けて見える」という不思議な力が宿る。
運命が見える男と“死の運命”に導かれる女性が織りなす、心震える“ファンタジーラブストーリー”✨

監督 三木孝浩 
原作 百田尚樹『フォルトゥナの瞳』
(新潮文庫刊) 
脚本 坂口理子
音楽 林ゆうき

キャスト
神木隆之介
有村架純
志尊 淳
DAIGO
松井愛莉 
北村有起哉
斉藤由貴 
時任三郎

主題歌
ONE OK ROCK

date.kobe 公式サイト
https://datekobe.net/fortuna/

 

 

 

イッピン「キラリ輝くネックレス~兵庫 神戸の真珠宝飾~」

【デザイナー】伏見 愛佳
【リポーター】知花 くらら

兵庫・神戸は、世界の真珠の8 割が集まる街。
集められた真珠はネックレスなどの
ジュエリーにするため選別・加工されていく。

自然が生み出す
ひとつとして同じものがない真珠。

その美しさを最大限に引き出すために駆使するのが
輝きや大きさを瞬時に見分ける高度な技術。

今回は真珠のアクセサリーを愛用する
モデル知花くららが知られざる加工の秘密に迫る。

また、変わり種真珠を活用しようと
新たな挑戦をする
クアラントットデザイナー伏見愛佳を紹介する。

 

 

 LIFE(夢のカタチ)(ABCテレビ)

よ~いどん!となりの人間国宝さん(関西テレビ)

 ココイロ(ABCテレビ)

 宝塚チャンネル(CS放送)

 産経新聞、読売新聞、繊研新聞、神戸新聞、
 神戸経済新聞他多数

 TED×Kobe 第一回(2014年)スピーカーとして
デザイナーAIKA FUSHIMIが登壇