2018.05.20

スタイリストブログ

Dopo le lacrime—涙の後に

 

 

ある女性の胸元でこのネックレスがキラキラしていた
鎖骨の隠れるゆったりしたワンピースの胸元
個性的でありながらデリケートなフィレンツェ彫りと言われる
フィレンツェの職人達が手作業で仕上げているものであった

このネックレスは私の人生の記憶の光なの!
と。。彼女は私にこんなことを話してくれた
幼い頃から心臓病と向き合いながら人生を歩んできた彼女
今年の春また大きな手術を受けることになってとても落ち込んだという
そんな彼女にある女性がこんな言葉を...
『病気は人を選ばないそして人は病気を選べない』
立ち向かうのよ!!人生に起きたことは必ず解決できると信じて

辛い辛い時間―病院のシーツの下で涙を何度流したことだろう。。。
今日再会した彼女は少し痩せた体ではあったが
顔色も良くとても元気であった

彼女は私にこう言った
元気になれて日常を謳歌できることに感謝するとともに
私はあの過酷な経験を大切な一ページとして残しておきたい
このネックレスが自分の胸元で輝くのをみると
少しくらい辛いことがあっても笑えるわ!と幸せそうに微笑んだ

胸に残った大きな傷が日毎に薄くなっていくのと同じように
時と共に自然と薄れてゆく辛かった記憶を何かの形で残したかった
あの時とめどなく流れた涙の光は間違いなく
次のステージに足を一歩踏み出す大きな力となったと彼女は語った

これからも彼女のジュエリーは人生のストーリーを語っていくのだと
思ったら次はどんな輝きを身に纏うのかワクワクした

私も宝石箱を開けたらあの時の記憶が鮮明に蘇るような
そんなジュエリー達を集めていきたいと思った